シネレボ!のはじまり

2011年10月24日「独立系映画事業者(製作・配給・映画館)合同ミーティング」が渋谷にて開催されました。ここで、現在シネコンを中心に広まりつつあるハリウッド式のデジタル上映への移行が、大きな問題として取り上げられました。その変化に2013年までに対応できなければ、地方のミニシアターの存続は厳しく、また小規模の映画は配給されなくなる可能性があると聞き、一観客として強い危機感を覚えました。

ひとりでも多くの人に、現状を知らせたい。
  一か月後に開催される東京フィルメックス映画祭で映画ファンに向けた同様のシンポジウムを行うことがアナウンスされ、ミーティングは終わりました。 何かできることがないか。居ても立ってもいられず、数人の有志とともに、シンポジウムの告知を手伝うことにしました。可能な限り多くの人へ伝えることが、現状を変える一歩になるのではないか。ブログを立ち上げ、メールで案内を送り、また海外の事例を紹介するために、資料翻訳の一部を行いました。東京だけでなく、全国の映画ファンに知ってもらいたいと思い、Ustreamでシンポジウムの様子を中継しました。当日、60人収容の会場に200名を超える人が詰めかけ、Ustreamでは2,100人を超える人が視聴し、その注目度にみなさんの関心の高さを認識しました。

デジタルは映画の可能性を広げるものであるはずだ。
 私たちは平行して、現在日本の映画が抱える様々な問題について調べ、いろいろな方に話を伺いました。製作、配給、映画館など、各々の立場の違いによって多様にとらえられ問題は複雑化しています。一つ言えるのは、デジタル化は現在インディペンデント系が直面している深刻な問題であり、早急に解決の糸口を見出す必要があるということ。 それは、デジタルが可能にしたコスト削減、全国の一斉公開の可能性、コンテンツの多様化など、映画また映画館にとっての新しいかたちを、一歩踏み留まらせる何かであってはならないはずだ。

情報共有の広場にて、新たな映画の価値を考えたい。
 そのためには、圧倒的に知識が足りず、まずは情報共有の広場として、「シネレボ!」はありたいと考えます。ブログやFacebookなどのオープンな場で、様々な議論を可視化する。そして、いくつかの研究グループを作り専門家に話を伺い、また各所で行われているイベントをリポートする。デジタル化の問題を契機に、観客、作り手、届け手の垣根を越えて、「映画を観る」ことについて考えていきたい。興行、配給、製作のシステムはもはや既存の方法では立ち行かなくなっており、映画の価値が再定義されるときが来ていると感じています。 活動名は「シネレボ!(シネマ・レボリューション)」。映画革新のとき、より開かれ、可能性に満ちた未来を自分たちで選びとるために、できることから、はじめてみませんか。   シネレボ!(大野 敦子)

シネレボ! 3つの理念

●情報共有の広場。映画に関する事象を多方面からとらえるプラットフォームであること。

●誰もが参加可能な場であること。

●映画の今を知り、映画の未来を考えることを目的とする。